中國の若者の間で流行する「推し」のグッズ購入
「38度という厳しい暑さも、『私の推し』のグッズを必ず手に入れるという決意を阻むことはできない」。アニメーション映畫「劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦」が今、中國で絶賛上映中となっており、浙江省杭州市のショッピングモール「工聯(lián)CC」の3階に設(shè)置されているポップアップ?ストア內(nèi)は、オリジナルグッズを買いに來た若者で大賑わいとなっている。中國新聞網(wǎng)が報じた。
今年5月から、「公式グッズショップが古いショッピングセンターの救世主に」といった話題がネット上で検索のトレンド入りし始め、「グッズ購入」の注目度が高まっていった。工聯(lián)CCは、杭州で最も古いショッピングモールの一つで、今では「二次元(2D畫像で描いたアニメ?漫畫?ゲームなどの総稱)」などのファンが集まる場所となっている。推しのグッズをたくさん付けた「痛バッグ」を背負(fù)った夏休み中の大學(xué)生?小宇さんは、朝早くに地下鉄に乗って工聯(lián)CCにやって來たといい、「ポップアップ?ストアがここに設(shè)置されているのはとっくに知っていた。時間ができたので、すぐにグッズを買いに來た。來るのが數(shù)日遅かったみたいで、売り切れたグッズもあって殘念」と話していた。
「グッズ」は中國の若者の間で音訳されて「谷子(グーズ)」と呼ばれている。元々それは「二次元」作品のグッズを指していたものの、今ではバッジや、キャラクターが描かれたトレーディング色紙、ぬいぐるみ、アクリルスタンドなど、小さくて、軽いグッズ全てを指すようになっている。そして、こうしたグッズを販売する店は「谷店」、グッズを購入し、コレクションすることは「吃谷」と呼ばれているほか、「グッズ」をたくさんつけたリュックは「痛包」と呼ばれている。小宇さんが話した「私の推し」というのは、 人に薦めたいと思うほどに好感を持っているキャラクターのことだ。
20歳前後の若者に、「推しの二次元キャラクターや作品は?」と聞くと、「ついていけない」と感じるほどたくさんの情報を教えてくれるだろう。アニメを見るだけでなく、いろんなゲームで遊ぶという若者も多い。こうした若者の間では、公式グッズを購入することが習(xí)慣化しており、彼らにとって、グッズ購入は何も目新しいことではない。そのため、誰が「グッズ」のことを「谷子」と呼ぶようになり、誰が「谷店」や「吃谷」といったグッズ関連の言葉を言い出して、誰が「グッズ」の範(fàn)囲を小さなおもちゃにまで広げたのかは、定かではない。ただ、何事にも始めがあるもので、多くの二次元ユーザーは、「2023年下半期から今年初め頃から、周りの遊び友達(dá)もグッズを購入し始めた。はまったのは、素敵なグッズを見て、自分も実際に手に入れたいと思う欲求が刺激を受けたというパターンが多い」と話す。
商品棚を見ると、あるキャラクターのホログラフィックレアカードが1枚39元(1元は約21.2円)、公式ハンドタオルが1枚119元で売られていた。ポップアップ?ストアがオープンして以來、「不當(dāng)に高い」という聲も多いものの、列に並んで購入する人の姿も數(shù)多く見られた。
ポップアップ?ストアのスタッフは、「販売しているのは全て日本のアニメのグッズ。他のショップで販売されている中國アニメのグッズと比べると、確かにかなり高い。でも、中國國內(nèi)では手に入らないものばかり」と説明し、「一部の商品はすでに売り切れた」という。
「00後(2000年以降生まれ)」の大學(xué)生?阿澄さんは半年前からコスプレを始め、「杭州のコスプレイヤーは大體みんな工聯(lián)CCのグッズショップに來ている。現(xiàn)実の生活では、仕事や勉強(qiáng)が忙しくて、ストレスが大きい。グッズを購入して自分の推しのキャラクターを身近に置くことで、元気をもらえる」とした。
杭州工聯(lián)CCの中國のアニメ「天官賜福」や「羅小黒戦記」などのグッズを販売しているショップ「潮玩星球」の責(zé)任者も、グッズの大ファンで、「オープンしてから約1年の間に、グッズショップの爆発的成長を目の當(dāng)たりにした。グッズを購入する若者が今、どんどん増えている。わざわざ遠(yuǎn)くからくる客もいる」と話す。
「グッズ購入」がブームとなるにつれて、中國の多くの都市のグッズショップが商業(yè)施設(shè)や商業(yè)エリアに新しい風(fēng)を吹き込み、新しい観光地となっている場所さえある。例えば、上海市內(nèi)の道路?南京東路は、2023年にアニメ専門モール「上海百聯(lián)ZX創(chuàng)趣場」がオープンしたことで、「中國版秋葉原」となっている。また、湖北省武漢市の「X118」や江蘇省南京市の「水游城」なども、「二次元」ファンの間で一度は行ってみたい「メッカ」となっている。工聯(lián)CCがある杭州湖浜商業(yè)圏を昨年訪れた人の數(shù)は延べ4000萬人以上、売上高は165億9000萬元に達(dá)した。
サブカルチャーが大衆(zhòng)化し、「二次元」関連商品市場が今、ブルーオーシャンになっている。市場調(diào)査會社?艾瑞諮詢(iResearch)の統(tǒng)計によると、2023年、中國の「二次元」業(yè)界は前年比27.6%増の2219億元規(guī)模にまで拡大した。(編集KN)
「人民網(wǎng)日本語版」2024年7月29日
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